【多嚢胞性卵巣症候群ってどんな病気?】
通常の月経周期では排卵に向けて数十個の卵胞が育ち始め、その中の1個のみが大きく育ち主席卵胞として排卵されます。他の卵胞は途中で成長が止まり、やがて小さくなっていきます。
しかし多嚢胞性卵巣症候群の場合は全ての卵胞の成長が途中で止まり、たくさんの小さな卵胞が卵巣内にとどまってしまいます。
あまり聞きなれない名前かもしれませんが、生殖年齢女性の6~10%に認められる、決して珍しくないものだそうです。
【主な症状とは?】
卵胞が育たず排卵が難しくなるため、月経に異常があらわれ不妊の原因になります。
その他に、男性ホルモンの影響により毛深くなる・ニキビができる・肥満・血糖値上昇などの症状があらわれることもあります。
「私の場合は、月経異常とニキビができることに加えて、今思えば1度空腹時の血糖値が高めなのを指摘されたのは多嚢胞性卵巣症候群の影響があったのかもしれないと思いました。妊娠中の今の方がすっかり血糖値が落ち着いています!」
また治療をせずに長期間放置すると、子宮体がんやメタボリックシンドロームなどのリスクが高くなるとも言われています。
【3つの診断方法】
①月経異常
*無月経…排卵がなく生理が来ない状態。薬を服用しなければ月経がない。
*稀発月経…月経周期が39日以上3か月以内と、生理がくるまでに時間がかかる状態。
*無排卵月経…月経はあるが排卵できていない状態。
「私は元々月経周期がバラバラでしたが、そのまま気にせず過ごしている状態でした。ところがある日、少量の出血がダラダラと止まらない状態となり、これはおかしいと思ったのが婦人科を受診するきっかけとなりました。その時点では多嚢胞性卵巣症候群とは診断されなかったものの、血液検査でホルモンバランスが崩れているとわかり、排卵が出来ていない可能性が高いとのことでした。」
②多嚢胞性卵巣
超音波検査で卵巣内に小卵胞(2~9㎜)が10個以上みられる。
「こちらははじめに婦人科にかかっていた際には指摘されたことはありませんでしたが、妊活を開始して不妊治療専門クリニックに転院してから指摘されました。以前からだった可能性もあるけれど、突然現れることもあるからいつからなのかはわからないとのことでした。」
③ホルモンの分泌異常
月経開始3日目頃に採血し、ホルモンの基礎値というもの調べる。その結果、男性ホルモンや黄体化ホルモンが高値になる。(ホルモンバランスが崩れている)
「私もやはりこの血液検査で男性ホルモンであるLHの値が高かったです。」
【関連している可能性がある2つの状態】
①高プロラクチン血症
多嚢胞性卵巣症候群の人の10~30%が、高プロラクチン血症を合併していると言われています。
プロラクチンとは、本来妊娠中および出産後に多く分泌され、乳汁の分泌などに重要な役割のあるホルモンです。このプロラクチンが出産とは関係ないタイミングで過剰分泌され、血液検査で高値を示してしまう状態が、高プロラクチン血症になります。
症状としては、乳漏・黄体機能不全・排卵障害がおこるため、不妊の原因となってしまいます。
特に排卵障害に関しては、誘発剤の効果を減弱させるとともに、排卵する際に必要なLHサージをさせる黄体形成ホルモンの急上昇を妨げてしまいます。
また、日中の採血では異常がなくとも、夜間のみ異常高値を示す「潜在性高プロラクチン血症」というものがあります。多嚢胞性卵巣症候群で誘発剤への反応がいまひとつの場合には可能性があるため、ホルモン負荷検査をしてみるという選択肢もあります。
ただ、私も多嚢胞性卵巣症候群であり誘発剤の反応も悪かったので検査したかったのですが、個人の内分泌科さんで質問すると、検査には大きな病院で入院が必要になるとのことでした。そのためとりあえず負荷検査は断念して、他にできる検査のみやってもらいました。
②インスリン抵抗性
インスリン抵抗性とは、血糖値を下げるために分泌されるインスリンの血中濃度が高く、インスリンの効果が弱まっている状態をいいます。つまり、血糖値が下がりにくい状態となっています。
インスリン抵抗性があると、通常の糖尿病にはなっていなくても今後2型糖尿病に移行する可能性があり、妊娠後は妊娠糖尿病にもなりやすいので注意が必要です。
またインスリン抵抗性は、卵胞発育抑制・卵質低下・多嚢胞性卵巣症候群における難治性の排卵障害や流産率の上昇にも関与していると言われています。
【治療法について】
★減量および運動療法
BMI25以上ある場合は、食事の減量や運動による肥満改善が第一優先となります。肥満体系の方の場合は、これだけでも多嚢胞性卵巣症候群が改善される場合もかなりあるようです。元々やせ型の方が、多嚢胞性卵巣症候群に関しては難治性だと聞きました。
★経口排卵誘発剤の服用(クエン酸クロミフェンなど)
排卵を促すための誘発剤の飲み薬を服用します。私もクロミッド(クエン酸クロミフェン)という誘発剤を飲んでいました。他にも1度、セキソビットという誘発剤を試したことがあります。
また肥満がある方やインスリン抵抗性を有する方は、インスリン抵抗性改善薬であるメトフォルミンを合わせて服用すると、排卵率や妊娠率が上昇するという事例が多くあります。
私もこのインスリン抵抗性を疑い、有するのであればメトフォルミンを服用したいと考えていました。検査の結果、私はインスリン抵抗性はなくインスリンの分泌自体が少なめなので、血糖値の上昇には注意するようにとのお話でした。メトフォルミンに頼ることはできない結果だったので、少し残念な気持ちにもなりました。しかし、その後は血糖値の上昇に気を付けるようになり、調べる価値はあったと思っています!
★性腺刺激ホルモン剤(注射剤)
クエン酸クロミフェンが効かない場合や、副作用が強く出てしまう場合には注射剤による排卵誘発を行います。
注射剤での治療にも色々とやり方があるようで、注射剤にもいくつか種類があったり、卵胞を育てるための薬剤に加えて、いざ大きくなった卵胞を排卵させるための薬剤もあったりします。
注射剤の使用は効果としては経口薬よりも上がるのですが、必要以上に何個も卵が育ってしまうい過排卵になる可能性が高くなります。刺激により卵巣が腫れてしまう卵巣過剰刺激症候群や、多胎の発生率が上昇し、治療キャンセルとなることもあるので注意が必要です。
不妊治療をする上では、双子までなら良いが、三つ子以上は様々なリスクが高くなるので三つ子以上になる可能性(3つ以上排卵しそうな状態)があると、その周期は治療キャンセルという事になってしまうとのことです。
また、ペン型注射器で自己注射をする方法もあり、少ない量の性腺刺激ホルモン剤を毎日投与することで卵巣過剰刺激症候群や過排卵を予防し、通院回数も少なくて済むというメリットがあります。
私の場合はクロミッド服用後、卵胞チェックをして育ちが足りなけれまFSH製剤を注射→数日後にまた卵胞チェックをしてまだ育ちが足りなければ再度FSH製剤を注射→数日後にまた卵胞チェックをして、排卵しそうなくらい育った卵が2つまでならタイミング指導。排卵しそうなほど育たなかったが日数が経ちすぎてしまった場合や、3つ以上排卵しそうな卵があるという場合には今週期は薬で生理を起こしてリセット。という流れでした。
★腹腔鏡下卵巣多孔術
卵巣表面に穴を開けることで排卵しやすくするという手術です。この手術をすると、自然に排卵するようになったり、クロミッドに対する反応が良くなったりしますが、効果は半年~1年ほどでまた元の状態に戻っていきます。
【妊娠を希望しない場合には】
妊娠希望であればこのように排卵をするための治療をしていくわけですが、妊娠を希望していないのであれば排卵誘発剤を長く使用し続ける事は良くありません。
私は妊活前に1度誘発剤による治療をして、徐々に薬を減らして自力での排卵に戻すことができましたが、しばらく経つとまた生理周期が乱れホルモンバランスも崩れていくということが分かりました。そのため妊活開始までは低用量ピルを飲んで、周期を整えておきましょうという事になりました。
妊娠を希望するのか、まだしないのかによっても治療方法は変わってきますが、妊娠を希望しないからといって放置するのは良くありません。生理不順や不正出血など気になる症状がある場合は、ためらわず受診することをおすすめします!
婦人科って私もはじめは抵抗があり生理不順なのも長くそのままにしてしまっていましたが、実際に行ってみると早く行っておけばよかったと思いましたよ!初めての内心はドキドキですが、、、慣れます!(笑)妊娠してからも必ずやりますからね!大丈夫です♡
まだまだ足りない情報もあるかと思いますが、多嚢胞性卵巣症候群と診断されてから私が調べて得た情報を私自身経験談を交えながらまとめてみました。多嚢胞性卵巣症候群は、体質による部分も大きく完治というのは難しいものにはなりますが、決して妊娠できないものではありません!!
私も多嚢胞性卵巣症候群と診断されながらも、排卵誘発の経口薬と注射剤により排卵することができ、タイミング法のうちに念願の我が子を授かることができました!!
私と同じ多嚢胞性卵巣症候群で悩んでいる方もやくさんいらっしゃるかと思いますが、決して諦めず念願の我が子に会える日が来ることを心から願っております!!
Next…『ストレスが原因の不妊は50%⁉楽しむ心が妊娠を呼ぶ♥』についてお話します!

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